東京

一瞬にして全てが変わることって
今まで自分の身に降りかかってこなかったんだけど、
あれって、テレビから流れるニュースだけじゃなかったんだ。
頭に血がのぼる感覚、血管が収縮する感覚だけが残って何も機能しない脳。


恥ずかしながら26歳のわたしは
すごい人生が楽しくて、
今が一番自分のやりたいことやれて、
責任感とたった3年だけど積み重なったものが自信になって。
仕事には適度な緊張感もあって、最近新しい出会いがたくさんあって、
大好きだっていう友達もたくさんいる。


田舎で育ったわたしは
東京にすごい憧れがあって、
絶対に大学は東京に行ってやるんだって思ってた。
中学の頃から気がつけば今の会社に入りたいって思ってた。
だから地元では厳しいというまるで軍隊のような予備校だって我慢できた。
東京に行きたいって。


大学はやっぱり楽しかった。
憧れのあの東京にいるんだって思うだけで嬉しかった。
あの頃は時間もたくさんあった。
その時間は永遠に続くと思ってた。
そして私の小さな夢たちが叶っていった。
全てを手に入れたような気がしていた。


人の価値観はそれぞれだから、
東京が全てだと言ってるわけではなくて、
ただ単に、わたしにとってだけの話。



ほんの些細だけど、たくさん夢が叶った場所が東京だった。
これからの私の夢を叶えるのもこの場所でしかないんだって思ってた。



その東京を、
自分の意志で去る以外、考えられない。